“The
Illustrations of William Blake for Thornton’s Virgil”
Recent Design bindings
for a U.K. book collector.
The
center book of above photograph is “The Illustrations of William Blake for
Thornton’s Virgil”, published by The Nonesuch Press in 1938, the right book is a case binding for the woodcut prints of
illustrations.
The design binding is sewn on an accordion
guard of Kozo paper with secondary sewing linen board attachment. This is a full leather binding with leather
and hand-dyed Japanese Gampi paper onlays.
The head is coloured with acrylic ink. Endpapers are hand drawn lines, using a Rotring pen and coloured with pastels. It bound with Dark Brown Oasis and Nigeria Goat Skins used for onlays.
The head is coloured with acrylic ink. Endpapers are hand drawn lines, using a Rotring pen and coloured with pastels. It bound with Dark Brown Oasis and Nigeria Goat Skins used for onlays.
The
pages for the case binding
are made with archival
manila and archival glassine, these hold the wood
block prints. This book is sewn using a saddle
stitching. Covered in Dark Brown suede with leather onlays.
デザイナー・ブックバインダーとしての主な仕事は、展覧会などで作品発表を行うことと、依頼を受けて本を製本することです。英国のDesigner Bookbindersの正会員、準正会員は、理解あるコレクターに恵まれており、あまり制約なく自由に制作をすることができます。
上の写真は、英国在住の依頼主に最近納品したCommission(注文作品)です。
依頼主(デザイン製本のコレクター)の中には、間にディーラーが入って本人と直接の接触がない場合もありますが、ほとんどのコレクターとは面識があり、展覧会のオープニングなどで会って話をしたりします。コレクターの方々は個性的な方が多く、これに関してはまたいつか別の機会に話をいたします。上記の本の依頼者は、世代が同じということもありますが、気さくな人柄でとても話やすい方です。
この依頼主はロンドンの中心地にオフィスを構えておられ、私はいつも作品をそこに届けに行きます。
そこは、私の通常生活する空間とは全く異なる、バリバリのビジネスオフィスなのですが、部屋の片隅にはなんとも親しみを感じさせる古くさい本が山積みになっており、そこで、私の最も楽しみにしている時間を過ごすことがでるのです。つまり、無事作品を納品した後に、次に制作する本をその山積みの本の中から選んで持ち帰るのです。それらの本は、注文制作をする為に購入された本なので、本当に素敵な本が揃っています。
今回制作した本は、1937年にナンサッチ・プレスから出版された「ソーントン編『ヴェルギリウスの牧歌』の為のウィリアム・ブレイクの木口木版画」で、わずか4折の本なのですが、出版当時に特別に印刷された版画ページのプリントが十数枚付いていたので、そのプリントを保管する為の本も作りました。
まず、本の見返しは全部手書きです。最初にロットリンングペンを使って線描をした後、パステルで色を付けて行きました。最初はなしの実だけに色をつける予定だったのですが、なんだか中途半端な感じになったので、葉の方にも色をいれました。
これは、作業の途中の時の写真です。このように本を包む革に装飾用の薄い革をのせていくことをこちらではオンレイ(onlay)と言っています。オンレイには、いろいろ方法があり、装飾の部分に厚みのあるものもありますが、これは表面が平になるように作りました。
Reverse of the leather, prior to covering
これは、上記の革の裏側の写真です。オンレイの部分の厚みなくす為に、その部分を削った様子がおわかりいただけると思います。
最終的には、このように仕上がりました。
Endpapers on the case binding
これは、プリントを保管する為の本の見返しの写真です。これは、手書きの線描をオフセット印刷したものです。本の各ページは袋状になっています。プリントの出し入れがしやすく見た目もすっきりとしたものにしようといくつか試作を作りました。材料は、アーカイヴァル・マニラと呼ばれている中性紙の台紙、同じく中性のグラシン紙、厚めの楮紙、Zerkall紙を使いました。
表紙は、スエードにオンレイをしてあります。こちらの方のオンレイは装飾の部分に厚みがある仕上がりになっています。装飾を本の下の方にレイアウトして、前述の本の装飾と対照的にしました。